コミフォラ モンストローサ 実生リベンジします

前回、せっかく発芽したのに干からびさせてしまったコミフォラモンストローサ(Commiphora monstruosa,Commiphora monstrosa)に再挑戦です。

前回↓

パキプスからこっち、硬実種子には全部「煙の土」を利用していますが、今回も例に漏れず使います。

作りすぎて余っているから…って話もありますが、実際効果を感じるので、前回の燻炭混ぜただけのとき(発芽率33.3%)よりも良い結果が出るはず。

「煙の土」作り方はこちら↓

種子はseedstockさんの年末の安売りを利用して10個注文しました。

種子の前処理

種子に付着している果肉をぬるま湯でふやかして取り除くところまでは前回と一緒。

その後種子の殻は削らず、メネデール、ベンレート、ジベレリン溶液に6時間漬水。

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漬水中も温室内に置いて、だいたい30度前後を保ちました。

そして播種します。

プランテーションイワモトさんの盆栽混合土極小粒に燻炭を少量加えたものを用土にします。
例によってマグァンプKも極少量いれてあります。

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※プランテーションイワモトさんの用土は量が多いので注意してください。

プラステラ鉢に底石と用土を入れ、水をかけて微塵抜き。

その用土の上に種を置いて、「煙の土」で覆土します。

覆土と言っても種が少し隠れる程度で、完全には覆っていません。

で、霧吹きで充分用土を湿らせて、温室内で保温します。

播種日は2021年12月26日です。

発芽と温度についての考察

発芽には一定以上の温度が必要だということなんですが、30度前後という情報が多いですね。

それで色々調べましたところ、どうやら一定以上の温度 × 時間で発芽するっぽいです。

例えば25度ならば10日、30度なら5日で発芽するみたいな感じです。

水分が充分にある状態で一定温度以上になると、種子の胚が目を覚まします。
(種子に吸水させた後に温度を下げることで胚を目覚めさせる方法もあるようです。)

目覚めた胚はジベレリンを生成して胚乳の澱粉を糖(グルコース)に分解。その糖を栄養分として胚が細胞分裂し始め、成長するんですが、温度が高いと糖化も細胞分裂も活発になるので早く発芽する。温度が低いとその逆で、糖化も細胞分裂も緩慢になるので時間がかかる…。

そんな仕組みっぽいです。

※素人の推測でしかないので、鵜呑みにしてはいけません。

もちろん温度が高すぎると細胞が死んでしまいますので、気をつけましょう。

自生地、マダガスカル南西部の気候を見ると、夏季の平均気温が28度~32度なので、そのあたりが良さそうですね。(※平均気温なので、瞬間的にはもっと高い温度になっていると思われます。)

前回は小さな簡易温室内で、30度~33度あたりを保った状態にして、発芽まで8日かかりました。

今回はちょっと広くなった温室で、日中は27度~32度、夜間は21度~23度の環境になってます。

はたして、発芽まで何日かかるでしょうか。楽しみです。

種子を削るか削らないか

前回やったときは、初めての硬実種子実生ということで、播種する前に色々調べました。

調査結果を総合すると、硬実種子は発芽しにくいので、種に処理をする必要がある。
具体的には、高温にさらすか、種の殻を削るか、ハイターなどのアルカリ溶液で溶かすか…。

で、高温とハイターはなんかヤバそうだったので、サンドペーパーでちょこっと削る方法を前回試したわけです。

しかし、今回はそれを行っていません。

というか、オペルクリカリア パキプスの実生や、ボスウェリア サクラの実生をやったときも削ってません。

と言うのも、硬実種子だからといって吸水しにくいわけでも、芽が殻を破りにくいわけでもないようだ…と言う事に前回気づいたからです。

種子は殻によって完全に密閉されているわけではなく、水分を吸水する隙間があります。

硬実種子を漬水すると、いくつか浮いてしまう種がありますが、時間がたつと沈みますよね。

これは種の中に水が浸みて比重が重くなるからです。

また種子の殻には決まった割れ目があらかじめ入っていて、芽が殻を割って出てくる際にはその決まった箇所から殻が割れて発芽するんです。
少なくとも、コミフォラモンストローサ、パキプス、ボスウェリアサクラはそのようになっていました。

よくよく考えて見れば、自然の状態では誰も種殻を削ってくれませんしね。

山火事が絶妙な火加減で種殻を焼いてもろくしてくれる…なんて奇蹟を期待してたら全滅してしまうでしょうし、動物に捕食されて胃酸でイイ感じに殻を溶かされると発芽するのでは…と言う仮説も考えましたが、捕食されないと発芽しないとすると、逆に発芽総数が下がりそうなので、本末転倒になってしまいます。。。

つまり、硬実種子の殻を削ったり溶かしたりする必要はないな…と私は結論付けました。

発芽

2022年1月5日

播種から11日で一つ目の発芽を確認しました。

前回よりも温度が低い分、時間がかかっているのかな?という感じですが、そんなに大きな差ではないですね…

前回はやってなかった、ジベレリンと煙土のおかげかも。知らんけど。

うっすら二つ目も見えてます。


2022年1月6日 経過報告 

二つ目の発芽を確認。

三つ目も見えてますね。明日には立ち上がってくるでしょう。


2022年1月7日 経過報告

三つ目出てきました。

二つ目にピンが当たってて、三つ目ぼやけてますが…、これで25%の発芽率。


2022年1月9日 経過報告

あぁ…三つ目がうなだれて、首がしなびてる!

これ、ダメなヤツだ (。・・。)

硬実種子何度か実生してますが、コミフォラモンストローサが一番難しい気がするなぁ。

でも四つ目が出てきています。無事育っておくれ。。。


2022年1月12日 経過報告

四つ目、問題なさそうです。

一つ目は本葉がぴょこんと出てきていますね。

三つ目はこの状態。

葉っぱは青いですが、首が完全に枯れてるのでこのまましおれていくのでしょう…

取りあえずは何もせずに見守ります。。。

発芽率は 4/12 33% で前回と同じです。
発芽した後1つダメになっているので生存率は3/4、75%ですね。

うーん、後もう2、3出てこないかなぁ…


2022年1月21日 経過報告

先に発芽した2つは本葉も展開してきていて、順調に成長しているっぽいです。

そして、5つ目発芽!

ただ、ちょっと嫌な予感がしてまして、根の方に近い部分が茶色く、茎も少ししおれているような…

うーん、うまく育たないかもしれん。

やっぱりコミフォラモンストローサは難しい。

でも、発芽率5/12 で 41.6% になりました。
一応前回よりは発芽率が上がったと言うことでちょっと安堵しています。。。


2022年2月3日 経過報告

成長できないかも…と心配していた5つ目、杞憂だったようです。

双葉を開いて本葉がちょろっと出て来ています。

先輩達もなかなか立派な茎の太さに成長してきました。

なぜか葉焼けのような感じで葉を落とすものもいれば、葉を落とさずもさもさしてくるヤツもいて、個体差なんですかね。。。

とりあえずこのまま行けば心配なさそうです。

今回の結果は 播種から1ヶ月と1週間で

発芽率:5/12 41.6%
生存率:4/5 80%

でした。
まだ発芽するかも知れないですが、とりあえずここまでとします。

まあ、成功…?といえるんじゃないでしょうか。

成長記録は別で不定期にアップして行きます。

難しいコミフォラモンストローサの実生、挑戦する方の参考になれば幸いです。

ではまた!

9 Comments

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初めまして、いつもブログ拝見しております。
当方もモンストローサの実生にチャレンジしていますが、40個出てません。
発芽率凄まじいですね。ご教示願いたいのですが、発芽までプラスチックのケースをかぶせていらっしゃいますが、結露していますか?当方のケースは結露がすごいのですが、それがよくないのでしょうか。
よろしくお願いします。

ブログ読んでいただきありがとうございます。
モンストローサの実生当時、結露はしていなかったように記憶しています。
ただ、結露してるから発芽しないとか、そういうことはなさそうに思います。
カビは生えやすそうですが…

充分な水分と温度があれば発芽すると思いますよ。

ありがとうございます!
ためしてみます!

お返事ありがとうございます。
経過報告です。
中身が出てきてしまった胚はやはり上手く開かず、片方破れてしまいました(T . T)ですが茎などはひとまず無事そうなのでこのまま元気に育つように大切にしていきます!
殻が一部外れて中身が見えてた種子は意外と綺麗に双葉が開きました。ほっとしております。

あとは通常な種子が発芽してくれるのを願うばかりです。

ではまた!(^^)

あー、破れてしまいましたか。
でも1枚葉があれば成長はできるので、大事に育ててください。
たくさん発芽すると良いですね。
経験上だいたい3割前後。調子が良いと5割~6割いくので、それ以上出るように願っています。

返信ありがとうございます。

本日観察するとくっついたまま半分ほど破れていました。自分で開こうとしたけど無理だったのでしょう。子葉が一枚だけですが無事に育ってほしいです。
願掛けありがとうございます!
また変化がありましたらご連絡致します。

初めましてこんばんは、コミフォラ類を実生したく検索したらここにたどり着きました。すごく共感できたため参考にさせていただきました。

さて、3日前にモンストローサとワイルディの播種(各6個)に取り掛ったのですが、最初の果肉を取る際にぬるま湯に浸けておいたときにワイルディの種が一つは完全に殻と中身に分かれてしまっていました。もう一つは割れる所が剥がれていて中身が見える状態になってました。うまく育つかわからないまま播種してみました。両方とも生きていたのですが、中身が出ていた方は双葉がくしゃくしゃになり半分が少し茶色くなり、うまく開けないようでくっついてる状態です。このまま植物のチカラに任そうか無理矢理剥がそうか悩み中です。
もう一つは根が少し伸びたかな、、という所です。この後うまく殻が外れて葉が開くか要チェックですね。
残りの10個も無事発芽してくれることを楽しみにしてます。これからもブログ参考にさせて頂きます。
よろしくお願い致します。

ブログ読んで頂きありがとうございます。

これはまた特殊ですね。
中身が出てきてしまうとは。。。

双葉が開かないのは私も数度経験がありますが、恐らく放っておいた方が良いのでは無いかと思います。
ピンセットで剥がそうと試みたときは、双葉がやぶれてしまいうまくいきませんでした。
葉脈に充分水分がはいってシワが伸びれば、剥がせる…もしくは自然に剥がれると思います。

残りの種子、芽が出ますように🙏

今後ともよろしくお願いいたします。

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