メルカリで手に入れたオペルクリカリアヒファエノイデスの種子、ふた開け播種します。

パキプスよりも希少なヒファエノイデスは、その種子もあまり出回ることがないので、以前から手に入れたいなと思っていました。

ただ、ニセモノが出回ることも多く、発芽するまで分かりません。
ヒファエノイデスにはパキプスとは違った特徴がありまして、本葉に産毛が生えているんです。
芽が出て本葉まで確認できればヒファエノイデスかどうか分かるわけです。
ほかにも産毛の生えるオペルクリカリア属はいるのですが、葉の形がちょっと違うので、発芽してちょっと育てばわかるのではないかなと思います。

メルカリで手に入れたこちらの種。余剰含め22個。
さあ今回の種子は本物かどうか・・・播種作業して行こうと思います。

オペルクリカリアヒファエノイデス、種子の果肉除去

見ての通り、この種子は果肉がついたままの状態。

果肉が点いたまま播種するとカビが発生するので、取り除きます。

種子を1時間ほど水に浸けて果肉をふやかして、柔らかくします。
半分くらい浮いてますね。

やな予感。

浮いている種子は中身が入っていない可能性が高いんです。
果肉が空気を含んでいる場合もあるので、果肉を取ってから再度水に浸してテストしてみます。

吸水してふやけた果肉はこんな感じ。

これを丈夫なキッチンペーパーに包んで、手でもみもみ。
使っているキッチンペーパーはこちら。濡れても破れず洗って繰り返し使えるヤツです。


ゴリゴリと種子同士をこすり合わせて果肉を落とします。

するとこんな感じ。

5割くらい取れたかな?

まだ硬い果肉も残っているので、再度水に浸けてもっとふやかします。

種子にほわほわした物がついてますね。
桃とかマンゴーの種子みたいに、種子から大量の繊維が生えてぬめっているあの感じです。
でもこれはキッチンペーパーでゴシゴシと拭き取ればきれいになります。

面倒なのは、種子に硬く貼り付いている果肉の方で、爪でガリガリ削り取ります。
それでも種子殻の細かいくぼみに果肉が残るので、私はHOZANの肉厚ピンセットで、ガリガリ削って取り除きました。

肉厚ピンセットはしっかりと先端に力が伝わりますし、先端は滑り止めのローレット加工がされているので、これがヤスリのように果肉を削り落としてくれるんです。
何よりこのピンセット見た目が良いんですよね。カッコイイ。。。

そんなこんなでやっと全ての果肉を取り除くことができました。
再度水に浸けて種子が浮くかどうかテストしてみると…
12個が浮き、10個が沈みました。

うーむ。半数以上中身が入っていない可能性が高いということに。。。
なかなか厳しい現実です。
ただ、可能性の話であって絶対ではありません。

最終的に種子をふた開けして行くので、そこで確認できると思います。

種子の殺菌

果肉が取れましたので、種子を殺菌します。

おなじみ、白い液体に浸かる種子の様子。

ダコニール(殺菌)、ジベレリン(発芽促進)、メネデール(おまじない)の混合溶液です。

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1時間ほど浸けてから取り出し、ふた開けしていきます。

オペルクリカリア 種子のふた開け

硬実種子のふたを開けることで通常は数週間から数ヶ月かかるような発芽までの期間を短縮し、さらに発芽率自体も向上させる事ができるとのことなので、これをやらない手はないですね。
オペルクリカリア属の種子はみんなほぼ同じ形なので、パキプスやデカリーも同じようにふた開けできます。

用意するのはカッターナイフとHOZANの肉厚ピンセット。
普通はサンドペーパーとか、リューターで削ったりするようですが、果肉をピンセットで削り取ったときに、種子の殻自体もピンセットで削れることがわかったので、私はこれでやっていきます。

しずく型を横に寝かせたような感じの境界が見えるでしょうか?
これがオペルクリカリアヒファエノイデス種子のフタです。

蓋の位置がすごく分かりやすい種子もあるんですが、判別が難しいものもあってかなり難儀しました・・・。

フタの位置が分かりにくい種子は当たりを付けてピンゼットでガリガリ削っていくと、フタの継ぎ目が見えてきます。
この継ぎ目にカッターナイフの刃を突っ込んでこじ開けます。

パカッと。

刃を突っ込みすぎて中の胚を傷つけないように気をつけましょう。

あと、種子殻はかなり固いのでそれなりの力がいります。
手がすべって自分の指をふた開けしちゃったりすると大変ですので、充分気をつけてください。

さらにもう一つ注意点として、カッターの刃先がすぐに欠けます。
さすが硬実種子と言ったところでしょうか。22個のふた開けで4回ほど欠けました。
使っていたのはOLFAの万能M型厚というやつで、普通のカッターナイフよりも肉厚の刃なんですが、欠けましたね。

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刃先が欠けたら刃を折って新しい刃先にしてやれば問題はないのですが、もっと肉厚のカッターナイフか、アウトドアナイフなどの方が良いかもしれません。

キッチンペーパーに種子を置く

キッチンペーパーにダコニール、ベンレート、メネデール溶液を染みこませ、その上にふた開けした種子を置きます。
水に浮いていた種子も全部同じように置いておきました。
明らかに中身が入っていないっぽいものと、中身あるのか無いのかよくわからない感じのものがあったので、とりあえず全部同じように置いときます。上段の列が浮いてたヤツ。下段が沈んだヤツですね。
ちなみこの容器は100均の「とにかく洗いやすい保存容器」ってやつです。

最後に殺菌剤のベンレートをシュッシュと全体に吹き付けておきました。

殺菌剤は作り置きできず、当日使い切ることが前提なので、使うたびに新しく溶液をつくるのがベストです。ベンレートは水に溶いた瞬間から加水分解が始まり、2日でほぼ効果を失っちゃうらしいです。

少量の播種の場合はこんな小さなスプレーで充分です。というか、これでも余ります。
以前にやった、「パキポディウムをカビさせずに実生する方法」と同じ感じでやっているので、カビ対策は十分なはず。

容器の蓋は上にのっけるだけにして、空気が出入りできるようにしておきます。
密閉して空気が動かない状態になると、これまたカビやすいですからね。

さあ、発芽してくれるかどうか…。早いと2、3日で、動き始めるみたいですので、見守ります。

– 2日後 – 発芽確認

キッチンペーパーに置いてから2日目、胚が動き始めました。

真ん中のヤツですね。種子殻から外に盛り上がって、薄皮を破り白い根(?)ぽい物が出てきています。
この状態になったら、用土の方へ移動します。

用土はいつもの盆栽用土。

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少しだけ穴を掘って発芽した種子を埋め、上から乾燥防止のバーミキュライトを薄くふりかけて霧吹きで湿らせておきます。

すると、こんな感じで持ち上がってくるわけです。

今回は種子をふた開けして、中身が入っているものと入っていないものに分けて観察しましたが、中身が入っていても明らかに溶けてきている物とか、根を伸ばさずに子葉だけの状態で種の外に出てくる成長不良な物などがあり、結局正常に発芽したのは5個でした。
ふた開けしたときに胚を傷付けてしまったのかも知れません。。。
そして、水に浮いた種子からは、一つも発芽しませんでした。

全体からの発芽率は22.7%で、ちょっと悪い感じですね。
中身入っているものからは5割発芽しましたので、まあまあ悪くない感じ。

今回はメルカリで購入した無選別種子だったのですが、seedstockさんの場合は沈下テストをクリアした状態の種子を売っているので、発芽率を上げたい場合はseedstockさんで買うのがいいですよ。
ただ、ヒファエノイデスは売リ切れだったんですよね。。。

そして、本物のオペルクリカリア ヒファエノイデスなのかどうか?その特徴がちゃんと出てくるかどうか、もうちょっと見守って行きます。

本葉展開! 産毛は・・・

どうでしょうか?ふんわりと産毛に覆われている感じはします。

でもまだわからないですね。もうちょっと大きくなるまで観察します。

さらに3日たち、本葉もきちんと生長してきました。

ちゃんと産毛はえてますね。これはヒファエノイデスってことで良いのではないでしょうか。
葉のかたちもパキプスと似た感じなので、ほぼ間違いないと思われます。

よかった。一安心です。

それぞれ好きな方向へ伸びてますが、結構成長早くイイ感じです。

これから夏真っ盛り。
できるだけ大きく成長させたいな。

今回はここまで。

次、キフォステンママクロプスやります!

じゃ、またね。

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