とにかくカビるパキポの実生。

今までは、殺菌剤のベンレートに種子を漬けてから播種していましたが、それでもカビるので違う方法を試してみようと思います。

成功するかどうかわかりませんが、

カビさせないパキポの実生

やっていきます。

まず、なぜベンレートを使うのかと言えば、殺菌とカビが出てしまった場合の治療、両方に使えるからです。

はじめてパキポを播種したときは、鉢や用土は熱湯で殺菌し、種子はベンレートで殺菌して播種。
腰水管理して、腰水にもベンレート希釈液を使っていましたが、それでもカビる。

腰水の湿度100%状態がだめなんだろうと推測し、腰水をやめてもカビる。

風を当ててもカビる。

残った手は、薬を変えることですね。

パキポディウムの種子をダコニール漬けして播種してみる

殺菌剤の2大巨頭の一つ、ダコニール。もう一つは前出のベンレートです。

この薬はベンレートと違った作用機序を持っており、カビの胞子形成阻害と胞子の発芽阻害を主としています。
なので、既にカビてしまっている場合には効果が薄く、それ以上カビが広がらなくすることはできますが、カビそのものを殺すことはできません。
ここがちょっと弱いなと感じる部分で、カビ退治もできるベンレートの方を使っていたわけですが。。。

ダコニールがベンレートよりも優位性のある部分としては、薬剤耐性菌が出たことがないというのがあります。
ベンレートには耐性菌が存在しており、薬が効かなくなる場合がありますが、ダコニールにはそれがないとのこと。これは良いですね。

ダコニールとベンレートを混合して使う人もいるようですが、今回は播種前の種子処理にダコニール、播種後はベンレートを予防的に使うと言う方針でいきます。

と言う事で以下の3薬剤を用意。

created by Rinker
住友化学園芸
¥821 (2024/04/26 09:57:37時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
住友化学園芸
¥721 (2024/04/26 14:17:33時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
メネデール
¥680 (2024/04/26 05:22:56時点 Amazon調べ-詳細)

まず、メネデール適当希釈水に3時間漬水

その後、ダコニール50倍希釈水を加えて1時間

こんな感じで、エニグマチカムとデンシフローラムが、牛乳に浮いたコーンフレーク的な感じになっています。

ちなみにデンシはモニター(seedstockさんで種を購入すると、おまけでついてくる種)です。

ダコニールの濃度がだいぶ濃いのですが、説明書にニンジンの種子吹きつけ処理12倍と書いてあり、後はほとんど葉面散布1000倍~とかになっていて種子に対する記述がニンジン以外にない。。。
ニンジンの種ってそんなに丈夫ででかいのか?と思い調べてみると、まーパキポとほとんど一緒の雰囲気。姿形も似ています。

でも12倍はちょっと怖いので50倍にし、漬ける時間も1時間にしてみました。
元のメネデール希釈水にダコニール希釈水を足しているので、実際の濃度は60~70倍くらいになっていると思います。

これでカビを出さずに発芽させられるか?
経過をこちらに追加して行きます。

1日目 2023年5月4日

当たり前ですが特に動きなし。

温室で管理し、昼間の温度は28度~32度、夜は25度くらいです。

腰水も密閉もせず、朝晩に霧吹きで水分を与えた後、ベンレートスプレーをシュッシュッと2吹きしてます。

ベンレート希釈液は恐らく2日くらいで作りかえないとダメです。

農薬は水に溶いたその時から加水分解が始まり劣化していくそうで、希釈当日に使い切るのが基本です。

2日目 2023年5月5日

種子に変化なし。カビも出てません。

パキポは発芽までだいたい4、5日かかる感じです。

毎日鉢をのぞくのがドキドキものです。
放射状に伸びた白いヤツが見えたりすると、ギクッ!!ってなります。
どうかカビませんように。

3日目 発芽! 2023年5月6日

エニグマチカムが5個発芽しました。

とくにカビは出ていません。

朝晩の水やりと、作りかえたベンレート2回吹きかけるのを継続しています。

このままカビさせずに行きたい!

4日目 9個目まで発芽確認 2023年5月7日

エニグマチカムは超順調です。カビも出ていませんが、ヤバイのがひとつ。

帽子を脚に履いてしまううっかりさん。

センナメリディオナリスの実生やったときにもありましたが、このまま放っておくと成長不良になるので、種子殻を外して植え直します。

5日目 エニグマチカム 12個全部発芽確認 2023年5月8日

エニグマチカムは一つもカビずに全部発芽しました。

発芽率100%!スバラシイ!!

そしてデンシフローラムは・・・5日目に3個ほど発芽確認。

同じ環境なのにずいぶん違いますね。

鮮度とかが違うんでしょうか。。。とりあえずこちらもカビは出ていません。

一応パキポをカビさせずに発芽まで持っていくことができた、として良いと思います。

まとめ

パキポディウムをカビさせずに実生するには

  • 土と鉢は熱湯消毒
  • ダコニール60倍~70倍希釈液に1時間漬水
  • 播種後はベンレートスプレーを毎日朝晩の水やり後に2回スプレー

腰水でやる場合もベンレートスプレーを朝晩吹き付けてやると良いと思います。
ベンレートはフレッシュな状態で使ってくださいね。

エニグマチカムはすくすくと成長し、2023年5月24日現在、こんな感じになりました。

本葉が出てきていて、おなかぽっこり。かわいいですね。
デンシフローラムは5つ芽が出ましたが残りはダメそうです。。。
鮮度なのかなぁ。どうなんでしょうね。

以上、カビさせないパキポの実生でした。

では、またね。

コメントを残す