とにかく早く着脱したい!カメラのクイックリリースのお話
クイックリリース沼というものがあります。
カメラ好きの多くが患う病気のようなモノで、新しい機構のクイックリリースが出るやいなや、購入して試さずにはいられない…そんなやっかいな病気です。
わからない方には、そもそもクイックリリースとはなんぞや?という話だと思いますが、簡単に言えばカメラや、その他の機材の着脱を素早く行うためのガジェットです。
例えば、カメラと三脚。
カメラを三脚に乗っけて撮影したり、手持ちに変えたり、ジンバルに装着したり…ってのは撮影中頻繁に起こることなので、その着脱はできるだけ簡単に素早くできる方が便利です。
着脱にもたもたしていたら、イイ場面を逃してしまうかも知れません。
三脚やジンバル、スライダーとの接続、さらには移動時のカメラのホールドをどうするか。
カメラ2台ワンオペで運用しているときに、一時的に使っていない方をどうホールドするか。
そんなこんなをクイックリリースが解決してくれるわけです。
ただ、いろんなメーカーがクイックリリースを出してまして、それぞれ特徴的な機構を備えているので、利用用途によって使い分ける必要があると。。。
となると、自分の環境に合う最適なクイックリリースはどれだろう?
もっと便利に、もっと素早くできないか…
という感じではまっていくんですね。沼に。。。
かく言う私もどっぷり沼っていたんですが、このほどやっと脱出に成功しました。
現在私が所持しているのは、SmallRig、edelkrone、peakdesign、ulanziの物で、1ブランドで複数所持しているので、その個数は全部で9個です。過去に購入して廃棄してしまった物も含めると、20個近くいくのではないでしょうか…
所持しているカメラは2台なのに、クイックリリースを20個も買っているわけです。
ヤバイですね。。。
で、何によって沼から脱出できたのかというと、
FALCAM × Ulanziのクイックリリース FALCAM F38です。まあ、この界隈の人間ならみんな知っていると思いますが。。。これはカメラとその他機材の着脱用。
そしてもう一つが、Ulanzi Clawクイックリリース。ジンバルと持ち手の着脱に使います。
もちろんカメラにも使えますが、特殊な形状なので使い勝手を考えるとカメラに付けるのは
F38の方が良いです。
現在、F38を3つ、Clawを2つ所持しており、更にもう1つずつ追加したいなと思っているところです。。。
なぜUlanziが良いのか。他の製品と何が違うのか。
主観強めですが、できるだけわかりやすく説明していきますので、皆さんが購入する際の参考になれば幸いです。もちろん、用途によっては他の製品が良い場合もありますので、内容を見てご判断ください。
Ulanzi FALCAM F38 / Ulanzi Claw クイックリリース
FALCAM F38 by Amazon
FALCAM F38からご説明します。
カメラ側に付けるアルカスイス互換のプレートと、マウントに分かれます。マウントがそのプレートをがちっとつかんでホールドする仕組みです。当然ながら、アルカスイス規格の三脚であればマウントを付けなくても固定できます。
カメラと機材を接続するときは、マウントのリリースボタンを押しながら横からスライドさせて、一番奥まで入ったらボタンをはなします。ボタンを押さなくても入る機構になっているんですが、結構抵抗が強いので押した方が楽です。ちなみに4方向どの向きでも接続可能です。
しっかり固定されるので、がたつきなくカタカタ音が鳴ったりもしません。
リリースボタンは間違って押してしまわないよう、ロックすることができます。
ちょっと引っ張って回すだけ。
これでリリースボタンが押せなくなります。
解除もちょっと引っ張って逆に回すだけ。引っ張らないと回りませんので安全です。
1点不満な部分を上げますと…、遊びがないのでスライドさせるときに引っかかりやすいところです。きちんと平行に動かさないとスムーズに動きません。でもまあ、慣れれば問題はありません。
私は3つのマウントを三脚2本とスライダーに付けており、ジンバル(DJI RS2)は、F38のアルカスイス互換プレートを直接つかませてます。
ただし、DJI RS2に初めから附属しているクイックリリースプレートではアルカスイスがつかめないので、別途SmallRigのRS2用クイックリリースプレート(アルカスイス互換)を購入して換装してます。コレを付けると、peakdesignのプレートも、Ulanziのプレートもつかめるので便利です。
そいつのリンクはこちら↓
SmallRig DJI RS 2・RSC 2・Ronin-S用クイックリリースプレート(アルカスイス互換) 3061
もう一つの方、Ulanzi Clawクイックリリースは、垂直に着脱する機構になっており、カメラに付けても使えますが、特殊な形状なので他との互換性が全くありません。
Ulanzi Clawクイックリリース 新型 by Amazon Ulanzi Clawクイックリリース 旧型 by Amazon
よって、いろんな機材との着脱が必要なカメラに使うよりも、一対一の着脱を素早く行うことに特化するのが良いです。
私の場合は、ジンバルと持ち手の着脱です。
通常、ジンバルの持ち手・ミニ三脚はねじ込み式になっており、くるくる回す手間があるんですが、これなら一発です。カチャッとはめて、スッと外せる。メチャスマート。なんか着脱の動きもカッコイイ。武器かなんかを組み立てているかのような…中2心をくすぐります。
ジンバルの持ち手は2箇所に付け替えできるので、Clawを2個買って付けてあります。
この商品は新旧で少し違いあって、新しい方はマウントにアルカスイス規格の溝が切られているので、三脚などに固定するのが楽になりました。古い方はネジ固定方式のみでした。私は三脚で使わないのであまり意味はないですが…。
FALCAM F38とUlanzi Clawクイックリリースによって、カメラ周りの着脱がすごーく楽になり、今のところ大満足。やっとクイックリリース沼から脱出できた!と言うわけです。
では、他の製品も紹介していきます。
沼を脱出したのに、他のクイックリリースを手元に置いているのは、まだ出番があるからです。
peak design capture
peak design capture by Amazon
こちらはpeakdesignのcaptureってやつです。
peak designはカメラ周辺アイテムのクラウドファンディングで成功したアメリカの企業です。
バッグとアンカーリンクスを利用したストラップが有名ですね。このcaptureも人気商品です。
caputureはどちらかというと移動時のホールドがメインで、バックパックのショルダーストラップや、腰のベルトにカメラをホールドするのに使います。
もちろんpeak designの三脚とはバッチリクイックリリースできるんですが、他の三脚だとアルカスイス規格のでの着脱となり、クイックではありません。
captureとの着脱は、スライドインさせて固定する感じで、F38と同じです。というかこの機構はpeak designの方がオリジナルなんですけどね。
結構遊びがあり着脱はスムーズですが、完全固定するわけではなく、カタカタします。
captureのメイン用途が移動時のホールドなので、カメラをさっと引っかけてホールドし、さっと外して構えられるように作られているんですね。
外すときはリリースボタンを押して、外します。慣れると片手で付け外しが出来るので、ちょっとカッコイイ感じになります。私…カッコイイ付け外し方法をちょっと練習したりしました。。。
もちろんリリースボタンにはロック機構がついており、90度ひねれば押せなくなります。
総評として、アルカスイス互換なので不便は感じないですが上に説明したとおり、移動時のホールドをメインにしているので、各機材との着脱という意味ではクイックになりません。
しかも値段的に、F38の2倍~3倍くらいします。
ちなみに、peak designのプレートと、F38のプレート、両方ともアルカスイス互換なのでもしかしてプレート交換しても使えるんじゃ…と思って試してみると…
peak designのプレートをF38のマウントに入れる事は出来ないんですが、F38のプレートをpeak designのcaptureに入れる事は出来ちゃいます。
ただし、かなり遊びが大きくなり不安定です。ロックしてしまえば、相当激しい動きをしない限りは外れたりしなさそうです。ただ、逆に変にはまって抜けなくなるかも知れません。。。
高価なカメラを不安定な形でホールドするのは精神衛生上よくないので、やらない方がよいです。
やる場合は自己責任で。
私は神経が図太いので、この組み合わせでバックパックや腰のベルトに装着してカメラを吊り下げるのによく使っていますが、今のところ事故ったことはありません。
edelkrone quickrelease one v2
edelkrone 日本公式オンラインストア
カメラスライダーのメーカー、edelkroneのクイックリリースです。
こちらは前出の2つとは違って、ネジをクイックリリースします。
edelkroneのスライダーとカメラの接続が三脚ネジで留める形なので、それを素早く行う為に開発されたモノとなっています。
このそそる見た目と、ちょっと変態な機構に惹かれて、スライダーを購入したときにまとめて買ってみました。
3つのスクリューが、1/4~20インチのネジサイズに適応して、素早く着脱できるんです。
仕組みは結構単純で、中にギアが入っており、外側を回すとギア比で3つのスクリューがたくさん回って、三脚ネジを素早く吸い込む感じです。
だいたい180度まわせば固定でき、くるくるくるくるしなくて良いのです。
面白いでしょう?変態でしょう?
ただですね、これ着脱するとき結構面倒なんですよ。
公式の動画を見ると、スチャ!っと素早く付けているんですが、あんな感じにはいきません。
うまいことネジをつかむのが難しく、結構もたつきます。斜めにネジを噛んじゃったりとか。。。
上手くいくときと行かないとき半々ぐらいですかね。ちょいイラ…っとします。
加えて、私のカメラ運用上合わないところがありまして、カメラにはpeak designのクラッチを付けており、カメラ底部に装着したF38のアルカスイス互換プレートにアンカーリンクを付けてクラッチを繋いでいます。
ところが、quickrelease one v2には、アンカーリンクを取り付けるストラップ穴がないんです。
スライダーにF38付けちゃえばクイックリリースできるので、そりゃもう出番がないという。。。
でも、なんか好きなんですよコレ。使わないんですけど、持っていたいんです。
SmallRig 汎用クイックリリースアダプター
SmallRig 公式オンラインストア 汎用クイックリリースアダプター
これはカメラ用ではなく、ジンバルとミニ三脚、持ち手のクイックリリースを目的に購入したモノです。
クランプを開いて、差し込んで、180度ひねって、クランプを閉じる。
これで固定でき、外すには逆の手順で行えばOKです。
単純に手順が多いのと、ポッチと溝の方向を合わせて差し込むのが面倒です。
それと比べると、Ulanzi Clawはさすだけのワンアクションで固定でき、外すときも簡単。
4方向どの角度でも装着でき、方向も見た目で判断しやすい。
それでも、何も付けない状態でくるくるねじ込むよりSmallRigのアダプター付けた方が着脱速いので、出番の減ったジンバル、weebill labの方に使ってます。
Leofoto クイックリンクシリーズ
コレは持ってないんですが、ちょっと気になってるヤツです。
ん? あれ? 沼脱出できてないんじゃ………
いや、そんなことより、これかっこよくないですか?
三脚と雲台の接続を素早く行うためのクイックリリースですが、これはジンバルのハンドルにも使えそうですね。
見た感じ、さしてクリッとひねれば接続出来る機構だと思います。
Ulanzi Clawは、四角くて結構高さがあるので、この薄いヤツで接続出来たらカッコイイと思います。
ただ、高いです。大きさによってバリエーションがありますが、どれも1万円前後します。
ええ、買いませんよ。沼は脱出しているんですから。でもなんかいいなぁ。。。
と言う事で、さまざまなクイックリリースについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
Ulanziがクイックリリース沼から私を脱出させてくれた(?)んですが、カメラまわりは沼だらけなので、いつ次の沼にはまってもおかしくありません。というか、何個か既にはまってます。
そのあたりはまた今度!