ハオルチアの人工授粉を初めて行った様子です
うちにいるハオルチアさん達、花芽がどんどん上がってきて、開花祭りとなっています。
良い機会なので、異なる種類のハオルチアを交配してオリジナル品種を作ってしまおうと思います。
まあ、どこかの誰かが既に同じような事をやっていると思うので、完全に新しい品種を作り出すのは難しいでしょうが、変異も多いのがハオルチア、思いもしない美麗な個体が出てくるかも知れません。
そんな期待を胸に受粉作業をやってみたいと思います。
こちらがハオルチアの花です。
ハオルチアは自家不和合性といって、同じ固体内で受粉して結実することはないそうです。
ですので、花が咲いたからといってそのまま実がなるわけではないんですね。
これは葉挿しなどで増やした固体(クローン)同士も同じく受粉しないので、全く別の遺伝子を持つ固体同士でないとダメだと言うことなんです。
今回は異なる品種のハオルチアを交配しますので、自家不和合性の心配は要りません。
ただ、この小さい花の奥にある雌しべに花粉を付けるというのは、なかなか面倒な作業になります。
面倒なだけで難しくはないんですが…
とりあえず、やっていきましょう。
①交配させる花を選ぶ
交配させるには雌しべ雄しべとも成熟して受粉できる状態になっていることが必要です。
花をよく観察して、花粉がフワフワと散る状態になっているかを見てください。
花芽には複数のつぼみが付いていて、下から開花していきます。
見た感じ、一番新しく開花した花の2~3つ下の花がちょうどイイ感じっぽいです。
②花びらをとる
雌しべは花の奥の方にあるので、手で受粉させるにはどうしても花びらが邪魔になります。
そこで、花びらを取り除きます。
せっかく咲いた花なのにかわいそうですが、ここは心を鬼にして花びらをとっていきます。
ピンセットなどがあるとやりやすいですね。
ピンセットは安ものでいいんですが、先端がとがったヤツが良いです。
先端が丸いと、花びらの隙間とか、雄しべと雌しべの間にピンセットの先端を差し込むことができないので、作業が大変になります。
かなり細かい作業ですので、作業用ルーペがあると更にやりやすいかも知れません。
私は使いませんでしたが…
花びらの重なり具合を見て、一番外側にある花びらからとっていきましょう。
私がやった限りでは、全部こんな感じの順番でした。
下側真ん中 ⇒ 上側左右 ⇒ 下側左右 ⇒ 上側真ん中
交配する2つの花、同じように両方とも作業します。
花びらを取り除いた状態がこんな感じです。
③雄しべをとる
次に雄しべをとります。
雌しべは雄しべに守られるように真ん中の低い位置にあり、受粉作業をするには雄しべが邪魔です。
なので、雄しべも取り除きます。
もちろん取り除いた雄しべは他の花を受粉させるために使います。
雄しべを取り除いた状態。
真ん中の小さな白い丸の中にあるのが雌しべです。
ピントが甘くてすいません。
マクロレンズ欲しい。。。
取り除いた雄しべ。
④受粉させる
雄しべの先端の丸い部分に花粉がありますので、これを同じように処理した別の花の雌しべの先端にチョンチョンとこすりつけます。
これで作業完了です。
受粉が成功すれば、雌しべの下にある子房が膨らんできて種ができます。
受粉成功したと思われる子房はこんな感じ。
うまく受粉できていないと、しおれて無くなってしまいますが、受粉できていると子房が残って膨らんできます。
1ヶ月ほどすると種が採れるらしいので、経過を見守ろうと思います。
いかがだったでしょうか。
作業が細かくてちょっと面倒ではありますが、受粉作業自体はそんなに難しいものではありません。
でもこれで、自分のところにしか無いハオルチアを作れるんですから、やる価値はあります。
皆さんも受粉に挑戦して、独自のハオルチアを作りあげましょう。
このあとの経過報告もここに追加していきます。
種子の収穫
CR-1の子房がいつの間にか割れて、種子がいくつかこぼれてしまいました。。。
受粉作業からまだ1ヶ月立っていなかったんですが、こぼれてしまったものはどこに行ったかわからないので、あきらめるしかないですね。
そのうちどこかでひょっこり芽を出してくれることを期待しつつ。。。
で、複数交配しているので、種子がこぼれてしまうとどれがどの交配をした種子なのかもわからなくなってしまいます。
そこで、養生して種子が行方不明の出自不明にならないようにします。
やり方は簡単。
ティッシュペーパーを細く切って…
子房を包むように巻いて水で濡らしてくっつけます。
なんかそういう花みたいな感じになりましたが…
これはこれでちょっとかわいくないですか?
熟したCR-1の種は収穫して、交配別に小瓶に分けました。
大昔にハンズで買った極小の小瓶。
使う目的もないまま、ただかわいいからと言う理由で買って、いままで引き出しの奥にしまわれていましたが…、君らは今日この日のためにあったんだなぁ…
交配種名を記載する際のルールとして、雌しべ側を先に書くそうです。
今回の場合はCR-1が雌しべになっている種子ですので、CR-1 × レツーサ、CR-1 × ドドソン紫オブツーサ と言う書き方ですね。
このハオルチアの種子は植物仲間にお裾分けしつつ、他の種も出そろったら播種して行きます。
どんな子が出てくるか、楽しみ!
それではまた!